シラバス参照

印刷
講義名 音情報処理
代表ナンバリングコード BII3HS011C
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
受講定員の有無 なし
授業公開 科目等履修・聴講
履修年次 3・4年次
2024年度カリキュラム ナンバリング

担当教員
氏名
◎ 橋田 光代

到達目標 (1)音、音響、音楽に関する各種用語を理解できる。
(2)音の基礎的な性質や仕組みを理解できる。
(3)音声・音楽情報処理の幅広い研究領域を理解する。
(4)楽音分析合成のための基礎技術を理解する。
(5)音楽・音響分析のための基礎的な手法を理解する。
授業概要 音には人間の発声する音声、楽器で奏でられる音楽、その他環境音等があり、空気の振動によって人間の聴覚器官で認識される。音情報処理では、これらの音を計算機に取り込んで処理する仕組みと計算機を使って出力する仕組みを学ぶ。音に対する人間の知覚や認知の仕組みを踏まえつつ、音声信号の処理、音声認識、音響分析、音声合成、楽曲生成といった処理の概要を理解する。
授業計画
授業内容
第1回ガイダンスと全体像:音の性質と言語表現
第2回音の記号化(1)音楽表現
第3回音の記号化(2)電子表現(MIDI)
第4回音響分析と合成(1)周波数解析
第5回音響分析と合成(2)録音と再生
第6回音響分析と合成(3)音色の加工、音源分離
第7回音楽生成技術(1)作編曲システム
第8回音楽生成技術(2)楽器、インタラクティブシステム
第9回音を通じた「心の動き」と表現(1)音の知覚と認知
第10回音を通じた「心の動き」と表現(2)フレージング、感動曲線
第11回時系列メディアの演出分析:認知的音楽理論からの着想
第12回音情報処理実践(1)立案・設計
第13回音情報処理実践(2)実装
第14回音情報処理実践(3)実装
第15回音情報処理実践(4)動作テスト、総復習
準備学習(予習・復習等)の内容とそれに必要な時間 (毎回の授業前に行うべき予習)
各回のテーマに関するキーワードについて、事前にインターネット等で調べておく(30分)
(毎回の授業終了後に行うべき復習)
講義中に課された簡単な演習をこなす。 あるいは、日常生活で触れる様々な「音」について調査・考察する(1.5時間)
評価方法(割合) 1.定期試験の採点(70%)
2.演習課題の内容(15%)
3.積極的な授業への参加(15%)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 オフィスアワー等での口頭面談のほか、WebClassや講義専用Slack等を使用する。
テキスト 特になし。適宜資料を配付する。
参考書・参考資料等 「音のなんでも小事典―脳が音を聴くしくみから超音波顕微鏡まで 」
日本音響学会、講談社、1996年
「音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか」
小方 厚、講談社、2007年 ISBN 978-4062575676
「楽器の科学 図解でわかる楽器のしくみと音のだし方」 (サイエンス・アイ新書)
柳田 益造 他、SBクリエイティブ 2013年 ISBN 978-4797346220
「ゼロからはじめる音響学」 (KS理工学専門書) 単行本(ソフトカバー)
青木 直史、講談社 2014年 ISBN 978-4061565296
「音楽・数学・言語: 情報科学が拓く音楽の地平」
東条 敏・平田 圭二、近代科学社、2017年 ISBN 978-4764905382
その他、講義中に適宜紹介する。
メッセージ 「音を聞く」と言う身体機能は生まれる前から活動を始めています。
百聞は一見にしかず、と言いますが、百聞がなければ一見の価値は見出せません。
見てもわからないものは聞いて確かめる。
音が持つ情報力、それに対し「目に見えないものを観測し、処理する」という人間の聴覚力・情報処理力の凄さをぜひ一緒に体感してもらえたらと思います。
教員との連絡方法 各回の授業終了後や日々の休み時間、オフィスアワーなどで随時対応。研究室への直接訪問が一番早いですが、不在の場合はSlackや電子メールなどで対応します。
備考 講義に関する内容での授業内での教員との質疑・対話を推奨します。
他科目との関係性 【背景】本科目で学ぶ理論は、音信号処理の基礎技術としてフーリエ変換と、人-機械間の関係の理解が重要項目となる。そのため、「信号情報処理」「ヒューマンインタフェース」を履修しておくことを推奨する。
【関連】聴覚情報である音声と視覚情報である画像とは関連が深く、「画像情報処理」科目ではその類似点と音情報に特化した観点でメディア情報処理の理論を学ぶ。また、さらに抽象化された、信号としての情報を処理する技術は「信号情報処理」で学ぶ。
卒業認定・学位授与方針との関連
◎特に関係性が深い、○関係性が深い
関連性
情報学実践の基盤となる堅固な基礎学力、基礎技術力を持つ
地域の現実のデータを収集・分析し、地域社会の持続と発展のためのシナリオ作成と評価ができる
情報システムやアプリケーションの開発等により、地域社会を支える情報基盤を構築できる
人工知能技術やエンタテインメント技術を用いて、地域社会を豊かにできる
情報学の知見や技術を応用・活用して、公共経営、企業経営、交流観光、医療福祉、防災等のまちづくりに貢献できる
評価基準
列1
音情報処理における課題とアプローチをみずから考えて説明でき、
試験や演習課題の総合評点が満点100%に対し90%相当に達している。
音情報処理における課題をみずから考えて適切に説明でき、
試験や演習課題の総合評点が満点100%に対し80%相当に達している。
音情報処理の理解に最低限必要な用語や仕組みを過不足なく説明でき、
試験や演習課題の総合評点が満点100%に対し70%相当に達している。
音情報処理の理解に最低限必要な用語や仕組みを簡潔に説明でき、
試験や演習課題の総合評点が及第点(満点100%に対し60%相当)に達している。
不可
音情報処理の理解に最低限必要な用語や仕組みの説明が不十分で、
試験や演習課題の総合評点が及第点(満点100%に対し60%相当)を満たさない。
放棄
下記のいずれかに当てはまる。
1) 出席回数が10回に満たない。
2) 期末試験を受験しない。